導入事例記事の制作にあたり、
「本当に効果が出るのか不安」
「制作のコツを知りたい」
という方も多いのではないでしょうか?
導入事例記事の制作には、会社の時間や費用のコストをかけるため、失敗は許されないと考えるのは当然です。
そこで今回は、導入事例記事専門の制作会社である当社doucoの視点から、
- 導入事例記事制作の失敗例
- 導入事例記事制作の成功のポイント
をお伝えします。ぜひご一読ください。
【取材・インタビュー編】導入事例制作の失敗例と成功のポイント
導入事例制作時の取材・インタビューについて、気をつけるべきポイントは以下の8点です。
- そもそも、導入事例取材に応じてもらえなかった
- 導入事例取材先の選定が不十分で、掲載できるようなインタビュー内容にならなかった
- 雑談が盛り上がりすぎて本題に触れられないままインタビューが終わった
- 取材の場で必要な情報が得られず、制作に時間が余計にかかった
- インタビュアーの知識が浅く、深い話を得られなかった
- インタビュアーと導入先企業の関係性が弱く、深い話を得られなかった
- インタビュアーがメモを取ることに夢中になり、大切な部分を聞き逃した
- インタビュアーの経験不足から、納得感の薄いインタビューになった
それでは、順に確認していきます。
1. そもそも、導入事例取材に応じてもらえなかった
「導入事例取材を受けることで、どんなメリットがあるか」が導入先企業にきちんと伝わっていないと、そもそも取材自体を受けてもらえないことがあります。
例えば、取材を申し込まれた導入先企業が、
A. 忙しい中、事例取材を受けるメリットがわからない
B. 数ある導入先企業の中、他社ではなく、自社が取材先として選ばれた理由がわからない
C. そもそもサービス・商品に満足していない
と考えている場合があります。
A.忙しい中、事例取材を受けるメリットがわからない
「業務で忙しい中、わざわざ時間を割いてまで取材を受ける必要があるのか」と考える可能性があります。
- 企業の宣伝になる
- 「どんな企業なのか」「どんなサービス・商品を扱っているのか」といった具体的な内容が広く発信されるため、採用募集に効果を発揮する場合がある
などのメリットがあることをしっかり伝えるのがおすすめです。
B.数ある導入先企業の中、他社ではなく、自社が取材先として選ばれた理由がわからない
「サービス・商品を導入している企業は他にもあるのに、どうしてうちに取材を申し込んでくるのか」と理由がわからず、取材の受け入れを渋るケースも考えられます。
「質問案と取材の依頼文だけを一方的にメールで送る」ということはせず、「他でもない御社に取材を受けて欲しい」という理由もきちんと添えることで、取材を承諾してくれやすくなります。
取材を受けて欲しい理由としては、
- サービス・商品の導入によって、貴社の理想の成果が出たモデルケースである
- 「規模」「業種」「課題」などの観点から、現在の導入事例記事にないパターンである
- 導入先企業と貴社における強い関係性から、ぜひ忌憚のない意見を聞かせて欲しい
などが考えられます。
C.そもそもサービス・商品に満足していない
取材を申し込んだ先の企業が貴社のサービス・商品に満足していないケースでは、取材を受けてもらうことは難しいと考えられます。もし取材を受けてもらえたとしても、良い話を聞くことができず効果の出る導入事例記事にはならない可能性が高いです。
無駄を避けるため、取材を申し込む前には顧客担当者に
- 契約期間(今も契約が続いているか)
- アクティブ率(最近利用されているか)
- 営業担当者の訪問頻度・連絡頻度(訪問できているか、連絡に返信はあるか)
といった情報を確認し、取材申し込み先の企業の満足度を推測することをおすすめします。
もし「連絡しても一切折り返しがない」などの状況であれば、サービス・商品に満足していない可能性が高いです。そのようなときは、無理に取材をお願いするのではなく、他の導入事例として適当な企業を探す方が良いでしょう。
2. 導入事例取材先の選定が不十分で、掲載できるようなインタビュー内容にならなかった
取材先が「貴社のサービス・商品を今はあまり使っていない」という場合、顧客環境での最近の使用感を聞くことができません。そのまま取材を進めても、記事に掲載したい情報が得られず「有意義な取材ができなかった」となりかねません。
上記のようなことが起こらないよう、導入事例取材の申し込みを行う際に、
- 顧客担当者へヒアリングする
- (サービスの場合)最近の利用状況のデータを確認する
といった方法で、アクティブユーザーであるか確認することをおすすめします。アクティブユーザーの率直な声を聞くことで、見込み客の参考になる生きたインタビューになりやすいです。
3. 雑談が盛り上がりすぎて、本題に触れられないままインタビューが終わった
貴社の顧客担当者がインタビューを行った場合、導入先企業担当者と関係性が強いため、話が盛り上がりやすいものです。しかし、盛り上がりすぎて雑談で終わってしまう可能性も。
そこで、意味のある取材にするために、下記の内容を伝えておくことが重要です。
- 記事の目的を伝えておく
- 具体的な取材の流れ(質問内容・取材時間など)を共有しておく
これらの内容を事前に共有できていれば、インタビュー中に本題から逸れてしまった場合も軌道修正がしやすいです。
4. インタビューの中で必要な情報が得られず、制作に余計な時間がかかった
インタビューの中で聞き出したい定量成果(具体的な数値)があったにも関わらず、「定量成果は調べないとわからないので、一旦持ち帰ります」と言われてしまうケースがあります。
「相手の返事を待つために時間がかかってしまった」という事態にならないよう、導入先企業には事前に聞きたい定量成果を伝えておくのがおすすめです。当日はその内容に沿ってインタビューを進められますし、その日のうちに回答を得ることができます。
5. インタビュアーの知識が浅く、深い話を得られなかった
業務委託の社外ライターなどがインタビューを行うと、営業担当者に比べてサービス・商品の知識が浅く、深い話を得られない可能性が考えられます。とはいえ、商品について詳しくても、取材に不慣れなインタビュアーだと深い話が得られにくいもの。
もっと深い話を得るためには、インタビューを「貴社の営業担当者 + 事例担当者やディレクターがフォロー」という形で行うのがおすすめです。「サービス・商品についての深掘り」「インタビューのハンドリング」の両方をスムーズに行える可能性が高まります。
6. インタビュアーと導入先企業の関係性が弱く、深い話を得られなかった
上記の例と似ていますが、業務委託の社外ライターなどがインタビューを行うと、顧客との関係性が弱く、当たり障りのない話で終わってしまうケースがあります。
もっと深い話を得るためには、普段から交流のある顧客担当者がメインでインタビューし、取材や記事執筆に慣れているライターが同行する形がおすすめです。取材・執筆のどちらもスムーズに進められる可能性が高まります。
7. インタビュアーがメモを取ることに夢中になり、大切な部分を聞き逃した
「インタビュー中にメモを取ることに夢中になり、せっかくの大切な話を聞き逃してしまった…」というエピソードは、取材に慣れていないインタビュアーにありがちです。
取材内容は録音すればあとで聞き返すことができますので、インタビュー中はしっかり集中して話を聞くようにしましょう。インタビュイーの身振り手振りや表情から伝わる本音を見逃さず、取材記事に反映することができます。
また、そもそも取材に慣れているインタビュアーに依頼するのも有効です。
8. インタビュアーの経験不足から、納得感の薄いインタビューになった
取材経験が少ないインタビュアーの場合、事例の具体的な内容や数字の根拠などを聞き出せず、腹落ちのしない内容で終わってしまうことがあります。特によくあるのが、「話している時は納得感があったのに、文章にして落ち着いて読んでみると、具体性に欠けて全く説得力がない…」というパターン。
インタビューに慣れないうちは、取材経験の多いインタビュアーに依頼、もしくは同行をお願いするのがおすすめです。
ここまでお伝えしてきたことを改めてまとめます。
取材・インタビューで気を付けるべきポイントは以下の8つでした。
- そもそも、導入事例取材に応じてもらえなかった
- 導入事例取材先の選定が不十分で、掲載できるようなインタビュー内容にならなかった
- 雑談が盛り上がりすぎて本題に触れられないままインタビューが終わった
- 取材の場で必要な情報が得られず、制作に時間が余計にかかった
- インタビュアーの知識が浅く、深い話を得られなかった
- インタビュアーと導入先企業の関係性が弱く、深い話を得られなかった
- インタビュアーがメモを取ることに夢中になり、大切な部分を聞き逃した
- インタビュアーの経験不足から、納得感の薄いインタビューになった
取材・インタビューで失敗しないために、これら8つのポイントをぜひ意識してみてください。
【取材・撮影編】導入事例制作の失敗例と成功のポイント
次に、導入事例制作時の写真撮影について、気をつけるべきポイントをお伝えします。
- 写り込みが多く、写真が使えなかった
- 日の入り方・照明などの理由で色味がおかしく、写真が使えなかった
それぞれ確認してきます。
9. 写り込みが多く、写真が使えなかった
「備品や第三者が多く写り込み、雑然としたイメージの写真になってしまった」「競合他社の商品が写り込んでしまった」といった理由で、せっかく撮影した写真が使えなかったという場合があります。
撮影前に写り込んでいいものなのかを確認し、不要であれば移動させておくと良いでしょう。事前に準備ができていれば、当日の撮影もスムーズに進みます。
10 . 日の入り方・照明などの理由で色味がおかしく、写真が使えなかった
「撮影した部屋の照明が暗かった」「逆光のポジションでしか撮影できなかった」といった理由で、撮影した人物が暗く写ってしまう場合があります。撮影時は念のため、フラッシュの用意は必須と言えます。そもそも、使える写真がないといったリスクを防ぐために、プロカメラマンに撮影を依頼するのもおすすめです。
また、撮影場所の照明色によっては、撮影後に修正できないほど偏った色味の写真になってしまうことがあります。特に「イケてる雰囲気の写真を撮影したい」と考え、照明の凝ったおしゃれな場所を選定すると起こりがち。
撮影場所の光の具合を事前に確認し、別の撮影場所も確保できるようにしておくと上記のようなトラブルを防げます。
【執筆編】導入事例制作の失敗例と成功のポイント
インタビューが成功したら、次は記事の執筆です。導入事例制作時の執筆について、気をつけるべきポイントをお伝えします。
- 個人ライターに執筆を依頼したが、クオリティーが低く編集作業に手間がかかった
- 記事を内製しようとしたが、執筆担当者が多忙のためなかなか記事が完成しなかった
1つずつ見てきましょう。
11. 個人ライターに執筆を依頼したが、クオリティーが低く編集作業に手間がかかった
個人ライターへの依頼により、想定より安価に依頼できるケースもあります。しかし納品された記事が低品質だった場合、何度も編集作業を行う必要があり、かえって手間を取られてしまう可能性も。
執筆自体を編集部のある制作チーム・制作会社に依頼すると、上記のようなリスクを防ぐことができおすすめです。
12. 記事を内製しようとしたが、執筆担当者が多忙のため記事がなかなか完成しなかった
記事を内製するときは執筆担当者にそもそもメイン業務があることが多く、記事の執筆に時間を割けない可能性があります。事例取材の重要さをマネジメント層にしっかりと訴え、記事執筆のヒューマンリソースを確保することが重要です。
また、そもそも執筆担当者にはメイン業務に専念してもらい、執筆を外部に依頼するパターンもおすすめです。
【その他】導入事例制作の失敗例と成功のポイント
そのほかに、導入事例制作時に気をつけるべきポイントをお伝えします。
- 見込み客が参考にできる導入事例記事がなかった
- 社内ニーズのある取材先を選定しておらず、十分な成果が出なかった
- 想定以上の費用がかかり、投資額に見合った効果が得られなかった
- 関係各所への確認が不足しており、公開に至らなかった
以下で一つひとつ確認していきます。
13. 見込み客が参考にできる導入事例記事がなかった
導入事例を読む見込み客は、自社と以下の3点が似ている企業を参考にすることが多いです。
- 規模
- 業種
- 課題
そのため記事の絶対数が少ない場合、見込み客のニーズを満たせない可能性があります。どの見込み客にも参考になる記事が用意できるよう、多種多様な導入事例記事を掲載するのがおすすめです。
14. 社内ニーズのある取材先を選定しておらず、十分な成果が出なかった
全社的なマーケティング方針を理解しておらず、社内ニーズのある取材先を選定できていなかった場合、導入事例記事をWebサイトに掲載しても十分な成果が出ない可能性があります。
「大企業をターゲットとして売っていきたいサービス・商品なのにも関わらず、ベンチャー企業の導入事例記事ばかり制作していた」とならないよう、社内ニーズをきちんと把握した上で取材先を選定することが重要です。
15. 想定以上の費用がかかり、投資額に見合った効果が得られなかった
導入事例記事は「リード獲得への間接的な貢献」や「アップセル・クロスセルへの貢献」など、効果の可視化がしにくいことが多いです。
例えば、
- リサーチを担当している社員が導入事例記事を読む
- その情報を事業部長に伝える
- 事業部長がリサーチ担当者の情報をもとに直接問い合わせをする
- 新規受注や追加受注につながった
といった場合に、導入事例記事がその受注に貢献したかどうかを把握することは難しいと言えます。
「想定以上に費用がかかったが、果たして回収できたのか」と疑問に思うこともあるかもしれません。しかし、導入事例記事は成果を数字で測りにくいうえ、時間をかけて徐々に効果が上がってくるケースがほとんどです。時間がかかっても、成果の上がる記事を継続して制作・掲載していくことで、良い結果を得られる可能性が高まります。
また、わかりやすい成果を要求する上層部からのプレッシャーを減らす意味で、リーズナブルな料金設定の制作会社に依頼すれば、そのぶん多くの導入事例記事を制作することもできます。
16. 関係各所への確認が不足しており、公開に至らなかった
導入先企業の担当者にインタビューを申し込み、取材を進めていたにも関わらず、「広報担当者・本社からNGが出たために、記事が公開できなくなってしまった…」というケースがあります。
「質問事項をどこに情報共有する必要があるのか」「事前に了承を得なくてはならない事項はあるのか」といった内容は事前に必ず確認しておき、了承を得るべき相手には取材前・後に関わらず、都度情報を共有しましょう。
関係各所の承認プロセスを経なかったことで、すべての取材・執筆が終わってからNGになってしまう、というリスクを防ぎます。
取材、インタビュー、撮影、執筆以外で気を付けるべき点を改めてまとめると、以下のようになります。
- 見込み客が参考にできる導入事例記事がなかった
- 社内ニーズのある取材先を選定しておらず、十分な成果が出なかった
- 想定以上の費用がかかり、投資額に見合った効果が得られなかった
- 関係各所への確認が不足しており、公開に至らなかった
導入事例記事の失敗は、制作工程だけで起こるものではありません。これらの4つのポイントもしっかり押さえておくと良いでしょう。
失敗しない導入事例記事制作は、当社doucoにご相談ください
ここまで以下の4つのカテゴリに分けて16の失敗例と成功のポイントを確認してきました。
- 取材・インタビュー編
- 取材・撮影編
- 執筆編
- その他
16のポイントを押さえることで導入事例記事制作での失敗を少なくし、スムーズに進められるようになります。とはいえ「自社だけで16のポイントをすべてクリアするのは難しそう」という方もいるのではないでしょうか。
導入事例記事の内製に不安がある場合には、外注することも一つの方法です。導入事例記事の制作を専門とする当社doucoにお気軽にお問い合わせください。ご相談は無料です。
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